前回の記事で、布引の滝、布引貯水池へ行きました。
今回はその帰り道に、紅葉の名所 徳光院に寄った記録です。
徳光院は新神戸駅から歩いて行ける布引の滝近くに、川崎重工業の創始者川崎正蔵が私財を投じて1906年に創建した寺院です。 臨済宗に属する禅寺となっています。特に紅葉が美しく、地元住民の憩いの場です。
私も以前神戸に住んでいたので、紅葉の時期に何度か足を運んだことがあります。
東門
布引貯水池から下り、見晴らし展望台を通り過ぎて、滝の方へ行かず反対方向へ行くと徳光院に出られます。 西側からも入れますが、私は東側から回り込んで来ました。このような門(東門)があります。
境内の方へ進むと、見事な紅葉が待ち構えています😊
本堂
こちらが本堂です。「大圓山」という山号の額が掲げられています。
徳光院のWebページによると、明治時代に総理大臣や大蔵大臣を務めた松方正義の揮毫によるものだそうです。川崎正蔵と松方正義は同郷で交流があったようで、その縁で揮毫してもらったのでしょうか。川崎正蔵の跡継ぎとして、松方正義の三男・松方幸次郎が川崎造船所(現・川崎重工業)の社長に就任しました。
多宝塔
境内には美しい多宝塔【重要文化財】もあります。多宝塔というのは、下部が四角形、上部が円形の2層構造になっている仏塔のことです。
もともとは神戸市垂水区の名谷にある明王寺にあったものを川崎正蔵が譲り受け、1938年ここに移設したものです。もとは室町時代に建てられたとみられ、木組みの一部に1473年の銘があるそうです。多宝塔の中には1476年に作られた薬師如来座像や、持国天、増長天立像が安置されているそうですが、見ることはできません。
多宝塔としては神戸市で唯一のもので、兵庫県内では最古の多宝塔です。
1938年の移築中に、阪神大水害が発生し、山のふもとにある徳光院も大量の土砂が流れ込み、建物が埋まるなど大きな被害を受けました。この多宝塔も須弥壇が流失するなどの被害を受けたそうです。
検索したら、水害を受けた徳光院のスケッチ(神戸市立中央図書館蔵)が出てきました。土砂や大木が境内に流れ込み、建物が土砂に埋まっている様子が描かれています。
その後、川崎家から大きな支援を受けて多宝塔を含む徳光院の修復、復興が成し遂げられたとのこと。 多くの災害を受けても復興を成し遂げてきた、とても大切にされているお寺だということがわかります😌
境内の紅葉
山に囲まれた自然豊かな広い境内には、大きな木がたくさんあります。黄色や赤に色づいた木もたくさんあります。11月も後半ですが、まだ緑色のモミジも多いようです。
イチョウの葉が落ちて黄色のじゅうたんのようになっています。とても美しいですね。
池にはモミジの葉が落ちています。時が止まったような、静かな光景です。
山門
南側に山門があります。朱色の立派な山門です。播州から1906年に移築してきたもので、2017年に修復改装したものだそうです。 ここから南側へ下っていくと、新神戸駅の方へ出ます。
生田川
新幹線 新神戸駅を抜けて、生田川を眺めました。生田川のほとりには桜が植えられていますが、桜の葉が紅葉しています。
これから冬になり葉が落ちて、春には満開の桜で彩られることでしょうね。
紅葉尽くしの一日でした☺️