みかんの楽しい日記帳

日常の楽しい出来事や旅の記録を書き留めていきます

新神戸駅からすぐの景勝地・布引の滝と布引貯水池の紅葉

神戸の玄関口とも言える、新幹線🚄新神戸駅。ホームの両端からすぐにトンネルで山の中に入る、山の中の駅といってもいいくらいの立地となっています。

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そんな新神戸駅から山に入ってすぐ、古来からの景勝地として知られる布引の滝があります。ぬのびきのたきと読みます。

布引の滝は伊勢物語など平安時代の文学作品にも登場し、多くの歴史上の有名人が訪れています。 現代でも日本の滝100選に選ばれる、人気で美しい滝です。

そんな布引の滝は新神戸駅から歩いて15分くらいで行けます。山道で急な坂や階段はありますが、舗装された歩きやすい道でアクセスできます☺️

今日はそんな布引の滝と、2006年に重要文化財に指定された、日本初のコンクリート製ダムである布引ダム(布引五本松堰堤)のある布引貯水池まで歩きました。

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©みかんの楽しい日記帳 | ©OpenStreetMap contributors

新神戸駅

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新神戸駅の裏側は山が迫っています。写真では少し分かりにくいかもしれませんが、新神戸駅の下は生田川が流れています。川をまたぐように駅が建っています。

砂子橋

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新神戸駅を出て数分で、生田川の渓谷を渡る橋に出ます。こちらは砂子橋(いさごばし)といい、重要文化財に指定されています。

布引ダムと同じ1900年に架けられた橋で、レンガ造りのアーチ橋です。 もともと布引の滝の雌滝・鼓滝で取った水を浄水場に送るための導水管を通すための橋として建設されました。 橋の中に埋め込まれた導水管は今も機能しているそうです。

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橋の下部がアーチになっているのがわかるでしょうか? 木が茂っていて、ここからだと少し分かりにくいですね。

布引の滝を詠んだ歌碑

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布引の滝までの道中には水道施設の他に、布引の滝を詠んだ歌碑が点在しています。

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布引の滝は古来から文学作品に登場しますが、明治時代に神戸の市民団体が、平安時代から江戸時代までの布引の滝が詠まれた和歌を集めて36基の石碑を建立しました。 その後散逸しますが、徐々に神戸市が復興を図り、2007年にすべての歌碑が揃いました。

この写真は新神戸駅出て北にすぐの場所にある歌碑で、藤原定家の歌が刻まれています。

布引の 滝のしらいと なつくれは 絶えすそ人の 山ちたつぬる

藤原定家は平安時代末~鎌倉時代初期の歌人で、「新古今和歌集」や「小倉百人一首」の選者としても有名です。 こんなに有名な歴史上の人物が布引の滝を詠んでいたとはすごいですね😳

雌滝

布引の滝は実は4つの滝の総称です。一番メインの滝は雄滝(おんたき)といい、一番奥にあります。夫婦滝(めおとだき)は雄滝のすぐ下流でセットになっています。

そこに行くまでに、あと2つの滝が楽しめます。

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砂子橋を渡ると道が2手に分かれます。右の階段を行くと後述の雌滝をショートカットして左の道に合流します。左の道は雌滝経由です。 時間があれば左の道から進むとよいでしょう。

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左の道を進むと、滝が現れます。こちらは雌滝(めんだき)です。高さ19mの滝です。 今日は水流が少ないようで、弱々しい滝筋になっています😅とはいえ上品な感じでこういう雰囲気も良いのではないでしょうか。

手前に石造りのダムがあるのがわかるでしょうか。こちらが布引の水道施設の一部、雌滝取水堰堤【重要文化財】です。 これも布引ダムや砂子橋と同じく1900年竣工のダムです。

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少し右を向くと、ドーム状の石造りの建物が見えます。中には取水設備があるそうで、石を加工して作った手の込んだ建物になっています。 かわいらしい感じですね🥰

鼓滝

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雌滝から先へ進むと、鼓滝(つづみだき)が現れます。立派な標石もあるのですが肝心の滝はというと…

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こちらが鼓滝です。うーん、どこにあるかよくわからないですね🤔

高さ8mの滝で、姿は見えにくいものの美しい滝の音が聞こえるので鼓滝というようです。 水量の多い日は多少は滝の姿が見えます。

雄滝・夫婦滝

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最後に現れるのがこちら、雄滝(おんたき)と夫婦滝(めおとだき)です。

雄滝は高さが43mもある立派な滝です。布引の滝と言えばこれを指すといってもよいでしょう。白い花崗岩(かこうがん)の間を落ちる滝筋はとても美しく、迫力もあります。 滝つぼも大きく、また形も美しく、まさに古くからの景勝地というのもうなずけます😊

夫婦滝は雄滝の滝つぼから落ちる高さ9mの滝で、写真では辛うじてわかるように滝筋が2手に分かれて落ちていくことから、夫婦滝👩‍❤️‍👨というそうです

しかし…今日は水量が少なくて迫力がないです😢私は何度もここへ来たことがありますが、水量の多い日はなかなかの迫力がありますよ。

水量は上流の布引貯水池の水位や雨量を考慮して、布引ダムからの放水量を調整しているみたいです。 雨の多い時期は、迫力のある滝が楽しめる日が多いと思います。

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ここまでも歌碑が点在していましたが、滝の目の前にも歌碑があります。平安時代の人物、在原行平の歌碑です。

我世をは 今日か明日かと 待つ甲斐の 涙の滝と いつれ高けむ

説明版によると、伊勢物語に出てくる歌で、兄の在原業平らと共に布引の滝見物に来た時の歌だとか。 兄の在原業平の歌碑も近くにあります。

この滝つぼの横にはベンチもあり、ゆっくりと滝を楽しめるようになっています。また、滝を真横から間近に眺められるスポットには布引雄滝茶屋という茶屋があり、飲み物や軽食を頂きながら滝を眺められます。

見晴らし展望台

雄滝から先へ進むと、見晴らし展望台という、ベンチやトイレがある広々とした整備された展望台に出ます。 人がいっぱいいたので写真を撮っていませんが、ゆっくり休憩するのに最適です。

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このように、神戸市街や大阪湾の眺望がすばらしい広場になっています。 ここまでは新神戸駅から20分ほどで来られますが、ずいぶん山奥に来た感じがしますね。

なお、この展望台にはアスファルト舗装の車道も通じていて、滝とは反対方向で遠回りになりますが、そちらを歩いて新神戸駅へ帰ることもできます。

展望台の手前には、布引の滝の最後の歌碑があります。ラストを飾るのはこの御方です。

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なんと、第82代天皇で新古今和歌集の編纂や承久の乱で知られる後鳥羽院(後鳥羽天皇)の御歌です。

布引の たきのしらいと うちはへて たれ山かせに かけてほすらむ

蛍とふ あしやの浦の あまのたく 一夜もはれぬ 五月雨のそら

2首が刻まれています。布引の滝と芦屋の里を題材にしたものだそうです。

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展望台の近くには、緑、黄、赤の3色の葉っぱ🍂がついた、信号のようにカラフルな木もあっておもしろかったです☺️

ここから先は水道施設を見ながら布引貯水池へと歩いていきます。ここまではコンクリートや石で舗装された道でしたが、ここから先は非舗装区間もあります。 とはいえ、布引貯水池までは舗装路が多く、山道というほどではありません。

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猿のかずら橋

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展望台から少し上ると、猿のかずら橋という橋が現れます。六甲山に増えすぎたサルナシというツル植物を除去したついでに、 有効活用のためこの橋を「祖谷のかずら橋」(徳島県)を模して装飾したものだそうです。

最近は2013年に装飾をリニューアルしたそうですが、年月が経ってだいぶ装飾のツルがはがれており、普通の金属製の橋のようになってきてしまっています😅まあ自然のものですし仕方がないですよね。

この橋を渡るとハイキングコースで他の山へ行けます。まっすぐ進んむと布引貯水池へ続きます。

谷川橋

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さらに進むと、谷川橋(たにがわばし)【重要文化財】が現れます。大正時代初期に架けられた鉄筋コンクリート製の橋です。

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この橋を渡って先に進みます。

布引ダム(布引五本松堰堤)

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谷川橋を渡ってしばらく進むと、大きなダムが見えてきます。これこそが布引ダム(布引五本松堰堤)【重要文化財】です。

1900年に完成した、日本で最初の重力式コンクリートダムです。ダムの高さ(堤高)は33.3m、ダムの横の長さ(堤頂長)は110.3mあります。

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コンクリートを使って作られたダムはこれが日本初ということで、歴史的にも重要なものです😳 120年以上経った今でも現役で使われているのもすごいですね。

この辺りはモミジが植えられて紅葉の名所となっています☺️

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色鮮やかなモミジを見ながらダムを越えるためにつづら折りになった歩道を登っていきます。

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ダムと紅葉のコラボレーションです。

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よく色づいています。

布引貯水池

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ダムの上まで登り、ついに布引貯水池に到着しました! 布引ダムの立派な標石もあります。

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生田川の上流の水をせき止め、たくさんの水を蓄えています。

それほど大きな貯水池というわけでもないのですが、山と海が近く、水源に乏しい神戸市の貴重な自主水源の1つです。 地理的に水不足に悩まされてきた神戸市の先人の努力によって、このような立派な水道設備が明治時代に整備され、今も残っているというのはとても貴重ですね😌

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布引貯水池の周りがハイキングコースとして整備されています。この先を進むと、広い河原で川遊びができる市ケ原(いちがはら)を経由して、摩耶山や再度山などへ登れます。 今日はここまでにして引き返しました。

歴史と文学の香りが漂う美しい景勝地「布引の滝」と、近代土木遺産を身近に感じられる「布引貯水池」、新神戸駅から片道40分でこの2つが見られます。 ぜひ天気の良い日に訪れてみてください。

参考リンク