神戸の元町駅の北側、兵庫県庁の近くの都会の中に、約2万平方メートルの広大な日本庭園の相楽園があります。
相楽園の沿革によると、元々は小寺泰治郎の邸宅の庭園で、1885年頃から築造が始まり、1911年に完成しました。 小寺泰治郎は幕末~明治を生きた人で、神戸の将来性に目を付けて三宮や元町周辺の土地をたくさん買い付け、実業家として成功した人物です。
その小寺邸が1941年に神戸市に譲渡され、名前を中国の古典「易経」に出てくる「和悦相楽」から相楽園と名付けられました。
池泉回遊式庭園という形式の広大な日本庭園で、ソテツ(蘇鉄)、ツツジ、モミジの紅葉、などが名物となっています。
今回は紅葉を目当てに相楽園に出かけてきました🍁
相楽園 正門
JR元町駅から歩いて10分ほどの場所に相楽園があります。
こちらが相楽園の正門です。とても立派な門ですね。 旧小寺邸の頃からある門だそうで、総ケヤキ造りだそうです。
入園料300円を払って中に入ります。
ソテツ園
正門をくぐってすぐ横に現れるのが、大きなソテツ(蘇鉄)です。
どことなくヤシの木🌴っぽい南国風の植物ですが、もともと日本では九州南部~奄美・沖縄などで自生する木だそうです。 この大きなソテツは鹿児島から取り寄せた樹齢300年のもの。立派な風格がありますね🧐
入り口の大きなソテツ以外にも、たくさんソテツが植えられています。 昔から名物だったようで、旧小寺邸は「蘇鉄園」と呼ばれていたそうです。 いまでも相楽園を代表する名物となっています。
大クスノキ
ソテツ園の向かいには大きなクスノキがあります。 1567年に荒木村重という戦国時代の武将が、付近にある花隈城の鬼門除けとして植えたと伝わっているそうです。
写真を撮るのに失敗していたので、写真はありません。
荒木村重や花隈城については、以下のブログが詳しいです。
旧小寺家厩舎
ソテツ園・大クスの木を見て先へ進むと、レンガ造りの建物が現れます。
こちらは旧小寺家厩舎【重要文化財】です。河合浩蔵の設計で1910年に完成した洋風の厩舎(馬などを飼う施設)です。
河合浩蔵は明治~大正時代に、神戸地方裁判所、奥平野浄水場旧急速ろ過場上屋(旧水の科学博物館)など、神戸に今も残る建物を設計した建築家です。
レンガ造りで、左側の丸い塔もかわいくて素敵な建物になっています🥰
旧ハッサム住宅
旧小寺家厩舎の隣にも素敵な建物が建っています。旧ハッサム住宅【重要文化財】です。
もともとハッサムというイギリス人貿易商が北野の異人館街に1902年頃に建てた家でしたが、その後神戸市が寄贈を受け、保存のため1961年に相楽園内に移設したものです。
毎年春と秋に2週間ほど中が公開されており、ちょうど公開日だったので入ることができました😄
このように、素敵な雰囲気のお部屋が残されています☺️
池泉回遊式庭園
見所たっぷりの相楽園ですが、いよいよ紅葉の美しい庭園のメインエリアに入っていきましょう。
もみじが見事に紅葉しています🥰
池の周りには、名物のツツジをはじめ、もみじや松など様々な木が植えられています。
都心のオアシスといった風景でとても素敵ですね。
正面に見えるのは茶室の浣心亭(かんしんてい)です。もともと旧小寺家の離れがあった場所だそうですが、戦災で消失してしまい、戦後にこの茶室を新設したそうです。
池には橋が渡されており、素敵な景観を作っています。どこから見ても美しい庭園です。
船屋形
上の写真の奥に、金の装飾✨のついた立派な建物があります。こちらは船屋形【重要文化財】です。
裏側から近づいて撮影しました。2階建てで、漆で美しく塗装された木と、金色に光る装飾がとても豪華で美しい雰囲気です。
これはもともと江戸時代の御座船(大名などが乗る豪華な遊覧用の船)の1つで、姫路藩が使用していた河川用の御座船です。建築年代は1682~1704年の間と推定されるとのことで、300年以上の歴史があります。
船体部分は明治時代に破棄されたものの、屋形部分は保存され、その後1980年に保存のため相楽園内に移築されました。
江戸時代の御座船で現存するのは数えるほどで、しかも河川用の御座船は唯一これだけが現存しているとのこと。 貴重なものなんですね😌
池泉回遊式庭園 続き
このように、池の周りを回遊する遊歩道が続いています。
池の周りには灯籠もたくさん設置されています。全部で27基もあるそうです。いろんな種類の灯籠があり、見ているだけでも楽しいものです。全部見つけられるかな?
真っ赤にそまった紅葉がとても美しいです。
紅葉あふれる日本庭園を満喫しました☺️