みかんの楽しい日記帳

日常の楽しい出来事や旅の記録を書き留めていきます

西国街道 京都~神戸を歩く 3日目 その1 西宮・芦屋

2日前、武庫川を越えて西宮市に入りました。昨日は平日のためお休みし、今日は祝日のため一気にゴールの神戸を目指して歩きます✊

前回の記事はこちら。

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阪急今津線 甲東園駅

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梅田から阪急電車に乗って甲東園駅に来ました。ここから前回のゴールポイントの髭の渡しまで歩きます。

9:51 髭の渡し 0km

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前回のゴールまで歩きました。今日はここから街道歩きを再開します。

昔はここから武庫川の対岸を結ぶ渡し舟が出ており、髭の渡しと呼ばれていました。

詳しくは前回の記事を参照!

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武庫川の様子です。広々とした河川敷でジョギング🏃‍♂️などをする人がたくさんおり、憩いの場になっています。

9:53 報徳学園

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河川敷を出ると、西国街道沿いに報徳学園があります。野球⚾️などスポーツが強いので有名な、100年以上の歴史がある男子校です。

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報徳学園の校門を越えると、西国街道が南へ折れ曲がります。

ちゃんと標識が出ているのがすごいですね☺️ここからしばらく南西の方へ道が続きます。

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この付近には、甲東文化財保存会というグループが設置した案内板が点在しており、解説を読みながら街道歩きを進められます😊

10:02 山陽新幹線の高架をくぐる 0.5km

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途中、山陽新幹線の高架をくぐります。左が新大阪、右が新神戸です。

10:07 阪神水道企業団の敷地を迂回

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途中、阪神水道企業団の送水所があるため西国街道が敷地を迂回しています。もともとは送水所の中を突き抜けていたようです。

阪神水道企業団は淀川の水を神戸市~尼崎市の阪神間の水道に供給する公的な組合です。

阪神間は人口の多さに比べて水源に乏しいため、淀川から水を供給してもらっています。武庫川以西の阪神間は山と海が近く、大きな川がありません。

10:19 門戸厄神・甲山観音への道標 1.5km

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西国街道沿いに道標が2つ並んでいます。別々の場所にあったものを、ここにまとめて移設したそうです。

右の石柱が門戸厄神への道標、左の石柱は1740年ごろの建立で、甲山観音への道標です。

門戸厄神 東光寺は日本三大厄神の1つともいわれる有名な厄除けのお寺で、厄神明王を祀っています。

特に1月18、19日の厄神大祭は屋台もたくさん並び、すごい人でにぎわいます。私も何度もお参りしたことがあります☺️

甲山観音は甲山にある神呪寺(かんのうじ)のことで、本尊として如意輪観音像【重要文化財】を祀っています。828年創建の歴史ある古刹です。

10:20 阪急今津線 門戸厄神駅 1.7km

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阪急今津線 門戸厄神駅です。西国街道はこの駅の脇を斜めに横切っています。

ちなみに門戸厄神(もんどやくじん)と読みますが、モンドセレクションとは関係ありません😆

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少し西国街道を進むと、交差する路地に素敵な並木道がありました。紅葉しているのは桜でしょうか。素敵な雰囲気ですね🥰

10:42 門戸厄神への道標 2.8km

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さらに進むと、門戸厄神への別の道標がありました。この絵文字みたいな指👉が面白いですね。説明版によると、江戸時代中期ごろのものと考えられるとのこと。

門戸厄神にも立ち寄りたいところですが、今年の1月にもお参りしたので、今回は街道歩き優先で見送ることにしました。

横には神戸女学院の案内板もあります。この付近は神戸女学院大学や関西学院大学など歴史ある大学が点在しています。

神戸女学院大学は有名な建築家ヴォーリズ設計のキャンパスが大変美しく、重要文化財に指定されています。見に行ったことはないですが…。

関西学院大学もヴォーリズ設計の時計台が有名で登録有形文化財となっています。こちらは以前資格試験で中に入った時に間近で見てきました。建物も素敵ですし、美しい西洋式の庭園の雰囲気も素敵でした🥰

10:54 東川を渡る 3.9km

広田橋という橋で、東川という川を渡ります。

ここの500mほど上流に、日本書紀にも出てくる古社、廣田神社があります。神功皇后ゆかりの神社で、阪神間では生田神社、長田神社と並ぶ古社です。

11:00 国道171号線 4.2km

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西宮市中央運動公園に沿って歩くと、国道171号線に出合います。御手洗川橋交差点というところです。

ここで南側の歩道へ渡り、200mほど国道171号線を歩きます。カメラのキタムラのある角を南に曲がって、国道171号線と別れて路地に入ります。

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このような道を南へ進みます。奥に見える高架は阪急神戸線で、西宮北口と夙川の間にあたります。

11:12 山手幹線 5.1km

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阪急の高架をくぐって南へ進むと、山手幹線に出合います。

山手幹線は神戸市長田区から尼崎市まで東西に続く、片側2車線ずつの幹線道路です。

11:16 東川親水公園 5.3km

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山手幹線を越えて南へ進むと、東川親水公園が現れます。ここはJR西宮駅から北西に200mほどの場所にあたります。

東川親水公園から先は、この東川沿いに西国街道が続きます。JR神戸線の高架をくぐって先へ進みます。

11:24 淡路島バーガー 5.7km

JRの高架の南側すぐの場所に、淡路島バーガーというお店があります。 食べログ ハンバーガー百名店 2019にも選ばれている人気店のようです。少し早いですが昼食にしました。

www.web-joho.com

ボリューム感のある、ワイルドな感じのハンバーガーで、美味しくいただきました。

11:50 出発

腹ごしらえをしていよいよ歩きを再開します。

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JRの高架を越えるとすぐに国道2号線です。写真中央の円形のガラス張りのある建物が、JR西宮駅前の商業施設、フレンテ西宮です。

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国道2号線を越えて、東川沿いに南へ歩いていきます。並木道になっていてきれいです。

12:00 海清禅寺6.3km

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阪神電車の高架の手前で少し西に入ると、海清禅寺というお寺があり、周囲が公園になっています。

写真右にある山門は1717年建立とのこと。そして写真中央の巨木はクスノキです。

説明版が建っており、それによるとこのクスノキは海清禅寺の開創の1394年に植えられたと伝わるそうで、樹齢600年以上と推定されます。高さはなんと約35mもあります。10階建てくらいのビルに相当するでしょうか。阪神電車からもこのクスノキが見えます。

とても立派な巨木ですね。

海清禅寺の西隣には西宮市役所があり、そこから南へ100mほどで阪神西宮駅です。

12:12 蛭子大神御輿屋伝説地の碑

阪神電車の高架をくぐり南へ進みます。国道43号線の手前で直角に西へ曲がり、路地を進みます。札場筋との交差点まで進むと、何やら大きな碑が立っています。

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蛭子大神御輿屋伝説地の碑です。これは、西宮神社の祭神えびす神にまつわる伝説が残されている地です。西宮神社のWebページに由緒が書かれています。

nishinomiya-ebisu.com

海を漂っていたえびす様を鳴尾(現西宮市)の漁師が引き上げてしまい、丁重にお祀りしたものの、西の方にもっと良い宮地があるとご神託を受けた時のことです。 上記Webページから一部引用します。

さて鳴尾の漁師は恐れ謹み、漁師仲間と相談し、蛭児大神を輿にお乗せし、御神託の通り西の方、良き宮地を求めて出立しました。途中いく度か輿を下ろし休憩して行きましたが、ある所で一休みされたえびす様が、よほどお疲れになったか眠り込んでしまわれ、なかなかお目覚めになりません。困った漁師たちは、恐れ多いとは思いましたが、えびす様のお尻を捻ってお目を覚ましていただき、再び西へ向って進まれたという話も残っています。

えびす様が眠り込んでしまった場所というのが、碑の建つこの場所というわけです。なんとも面白い伝説が残っているものですね。

目を覚まされたえびす様は、最終的に現在西宮神社のある場所にたどり着き、そこでお祭りされて現在に至るというわけです。 西宮神社は、ここから400mほど西にあります。

ここから西宮神社付近はかつて西宮宿という宿場町で、本陣などもありましたが、今は面影はありません。

12:17 西宮神社 7.5km

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西へ進むと、西宮神社に着きました。西国街道をまっすぐ進んだ先にあるのが表大門【重要文化財】です。1604年再建の歴史ある門です。

毎年1月10日に福男選びがあり、午前6時にこの門が開かれ、本殿までの230mを走ってお参りして先着3名が福男になります。毎年ニュースでやっていますね。

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門の脇から続く大練塀【重要文化財】という塀も歴史あるもので、室町時代に作られたものだとか。

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こちらが拝殿です。七五三で来られていると思しき方がたくさんいました。

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拝殿正面にある反橋の瑞寶橋【登録有形文化財】です。拝殿の前には池があり、美しい庭園になっています。

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素敵な庭園を歩き、西宮神社を後にしました。

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12:45 国道43号線から分かれる 8.4km

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西宮神社の南門から出ると、大阪と神戸を結ぶ大動脈国道43号線阪神高速3号神戸線があります。

国道43号線沿いに、西宮成田山の大きな看板があります。円満寺というお寺のようです。 西国街道はここから国道43号線と別れ、路地に入ります。

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このように住宅街の中を進んでいきます。

13:00 阪神電鉄 香櫨園駅 9.2km

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阪神の香櫨園(こうろえん)駅に着きました。夙川(しゅくがわ)をまたぐように駅があります。

この駅のホームには、なんとベランダがあります。駅から夙川の美しい風景を眺められるようになっています✨

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ちょっと寄り道して駅の北側に出ました。夙川は南北2.8kmにわたって桜が植えられている、関西でも屈指の桜の名所です。

松の木も植えられており、桜と松のコラボレーションがとても美しいです。私のお気に入りの散策場所です🥰

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夙川沿いに、このような遊歩道が整備されています。春には桜が満開になり、とても美しい光景が見られます。

香櫨園駅から先しばらくは、阪神電車の線路と西国街道が隣接して進みます。

このあたりから西国街道は2手に分岐します。大名行列が通る西国街道(本街道)と、海岸近くを抜ける西国浜街道です。

江戸時代は海運や酒造りが発達し、海岸沿いに村が発達したことから、庶民は浜街道の利用が多かったとか。

今回は本街道の方を進み、浜街道はまたの機会にします。

本街道は途中で北に進路を変え、阪神電車の高架をくぐって北側の道に出ます。

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このような並木道を西へ進みます。

13:25 阪神電鉄 打出駅 10.7km

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並木道を歩いていると、歩道の真ん中に大きな岩があり行く手を阻みます🙅‍♀️。何かと思えば…

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阿保親王廟への道標です。北へ700mほどのところに阿保親王の古墳があります。

阿保親王は平安時代初期の人物で、第51代平城天皇の息子であり、在原行平、在原業平の父だそうです。

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この阿保親王廟への道標の南側には、阪神電鉄 打出駅があります。

13:30 打出天神社 11.0km

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ここで西国街道から少し離れて寄り道します。北へ100mあまり歩くと、打出天神社という神社があります。

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境内には、令和の新天皇即位を記念して、打出の小槌の石絵馬が新登場!🎉 このような親しみの持てる取り組みをしている神社はとてもすてきだなと思います。

打ち出の小槌とは振れば望むものが出現するという素敵なアイテムで、おとぎ話の一寸法師にも登場します。

本当の由来かはわかりませんが、芦屋の打出の沖に住む龍が持っていたものだという伝説もあるそうです。

私も今日の旅の安全をお祈りしておきました。

13:40 金津山古墳

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付近には金津山古墳という古墳があります。芦屋市内では最大の古墳で、調査の結果もともと全長55mの前方後円墳だったことが分かったそうですが、いまは大半が失われて一部を残すのみとなっており、その面影はありません。

13:49 徳本上人名号塔 12.2km

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西国街道を進むと、徳本上人名号塔があります。芦屋市の解説PDFを見ると、江戸時代中期に全国を巡って布教していた徳本上人というお坊さんが、打出にもたびたび訪れて布教していたことから、西国街道沿いに顕彰碑が建てられたとのことです。

この先、宮川という川を越えて、住宅街の中の街道らしい幅の路地を歩きます。

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このような道をどんどん進んでいきます。

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すると、国道2号線に合流します。三八通北という交差点の近くです。ここから先は国道2号線を歩きます。

この付近の国道2号線は片側2車線で、交通量の多い幹線道路です。

14:00 芦屋川 業平橋 13.0km

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国道2号線に合流して200mほど西へ歩くと、芦屋川に到着しました。業平橋という橋がかかっています。芦屋に住んでいたといわれる平安時代の歌人、在原業平にちなんだ名前です。これは南側を撮った写真です。

写真左の高い三角屋根の建物はカトリック芦屋教会です。

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続いて北側を撮った写真です。ちょっとわかりにくいですが、写真中央に木に囲まれたクリーム色の建物がありますが、こちらがヨドコウ迎賓館【重要文化財】です。

もともと酒造会社の櫻正宗の当主だった山邑太左衛門の家として、有名建築家のフランク・ロイド・ライトが設計した住宅で、1924年に竣工した建物です。

現在は物置などで有名な鉄鋼メーカー、淀川製鋼所が所有していて、普段は一般公開されています。私も訪れたことがありますが、上質で素敵な空間で、南側の眺望もとても良かったです。

さて、先ほどの写真ですが、中央の芦屋川に段差が2段あり水が落ちているのが分かると思います。実は、その段差の下にはJR神戸線が通っています。芦屋川は天井川といい、周囲より高いところを川が流れています。そのため、JRの線路は川の下をトンネルで通っています。

電車に乗っていて頭上を道路が通っている場所はたまにあると思いますが、そんな感じで川が頭上を流れているというのは面白いですよね😆

阪神間は地形の影響で天井川が多く、JR神戸線は芦屋川と住吉川をトンネルでくぐります。

次回の記事でいよいよ三宮に向けてラストスパートです。ぜひご覧ください!

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