みかんの楽しい日記帳

日常の楽しい出来事や旅の記録を書き留めていきます

西国街道 京都~神戸を歩く 3日目 その2 芦屋~神戸・三宮

前回の記事に引き続き、西国街道を西へと進んでいきます。前回で芦屋川まで歩いて来ました。

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14:00 芦屋川から西へ 13.0km

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芦屋川にかかる国道2号線 業平橋から西へ進んでいきます。このような幹線道路を進みます。

芦屋川から700mほど歩くと、ついに神戸市に入ります🎉

京都から、私が育った神戸まで歩いてたどり着いて感激です!😆

14:13 セルバ甲南山手 13.9km

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神戸市に入ってすぐに大きな商業施設があります。JR甲南山手駅の南にあるセルバ甲南山手という商業施設です。

この付近には昔は阪神間でも最大級の規模を誇る森市場という市場があったのですが、老朽化で1992年にこのショッピングセンターに生まれ変わりました。森市場時代からの小さなお店もたくさん入居しています。

14:25 朱鳥居 14.5km

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さらに西へ歩いていくと、大きな赤い鳥居が目に入ります。ここから400mほど北にある森稲荷神社の鳥居です。

とても目立つ立派な鳥居ですね☺️

先へ進むと、途中でスーパーのライフがあったので飲み物🥤とお菓子🧁を買って少し休憩しました。 幹線道路だけあって、お店には困りません。

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14:56 天上川を渡る

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ダイエーやラーメンたろうなどいろんなお店を横目に国道2号線を進むと、途中で天上川という川を渡ります。

阪急岡本駅やJR摂津本山駅のすぐ西を流れている小さな川です。名前からして天井川っぽいですが、これは普通の川です😅

15:01 三王神社 16.5km

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天上川を越えると、国道沿いに三王神社という神社⛩があります。

新しそうな境内です。この神社は阪神淡路大震災で全壊してしまいましたが、その後再建されて現在に至ります。

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写真の右下、三王神社の脇に西国街道の碑があります。道幅3.6mの道が本住吉神社まで続いているとのこと。

ここから国道2号線と別れ、路地に入ります。

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国道から離れ、このような街道らしい道になりました。

15:13 くび地蔵 17.4km

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街道らしい道をしばらく歩くと、珍しいお地蔵さまがあります。この通り、顔だけのお地蔵様です😳その名も、くび地蔵といいます。

説明板によると、昔は大名行列が通るこの西国街道沿いに首から上の病気に霊験あらたかなお地蔵さまがあったそうですが(現存せず?)、それにちなんで大正時代にこのくび地蔵が建立されたそうです。

きれいな花が供えられており、地域の方に今も大切にされていることがわかります☺️

くび地蔵のあたりで、再び国道2号線に合流します。

15:24 住吉川 17.6km

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住吉橋という橋で住吉川を越えます。

住吉川は天井川になっており周囲より高いところを流れているため、川の前後でアップダウンがあります。

阪急、阪神は橋で渡りますが、JRは住吉川の下をトンネルで抜けます。頭上を川が流れている珍しいスポットです。

住吉川を含め、このあたりの川は六甲山から短い距離を急勾配で流れてくる川が多く、天井川が形成されやすいとともに、水害が何度も起こっています。

1938年に発生した阪神大水害でも大規模な氾濫が発生し、大きな被害が出ました。

15:39 本住吉神社 18.7km

住吉川を越えて住吉東町5丁目交差点あたりから、今度は国道2号線の南側を通る西国街道の道筋を通ります。再び街道らしい道になります。

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西国街道から100mほど北の国道2号線沿いにちょっと寄り道し、本住吉神社(もとすみよしじんじゃ)に来ました。大阪の住吉大社と同じく、航海🚢の神様、住吉三神を祀る神社です。

本住吉神社という名前は、大阪の住吉大社の元宮という意味が込められているそうです。

日本書紀神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓征伐の際に、神託に基づき廣田神社、生田神社、長田神社の神様とともに、住吉三神も、それぞれの場所に祀られたというエピソードがあります。

住吉三神が祀られた場所は一般的には大阪の住吉大社と言われていますが、本住吉神社の社伝ではここに祀られたとされているそうです。その後に大阪に住吉大社を創建して改めて祀られたのでしょう。

大昔のことなので、実際のところはどちらが正しいのかわかりませんが、歴史を感じされてくれるエピソードですね😌

こちらのブログで創建のことがとても分かりやすく解説されていて、ためになりました!

spiritualjapan.net

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境内には、だんじり7台の倉庫もあります。

神戸市東灘区~灘区のあたりはだんじり祭りがとても盛んで、全部で30台以上のだんじりがあります。

15:46 阪神御影駅 19.5km

さて、本住吉神社から再び西国街道へ戻り、西へと歩みを進めます。

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10分もせず、阪神御影駅に着きました。

この辺りは御影といいますが、昔は美しい花崗岩(かこうがん)の産地として知られ、御影石という石材の名前の由来になりました。

付近には石屋川など、石に関連する地名が残っています。

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阪神御影駅前には大きな商業施設、御影クラッセがあります。

15:48 沢の井

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阪神御影駅の高架下には、沢の井という泉があります。

ここも神功皇后ゆかりの伝説の残る地です。説明版によると、三韓征伐の凱旋の際にこの泉に立ち寄って自分の姿を泉に映してお化粧をされたとのこと。この泉に神功皇后の御影が美しく映し出されたため、この付近が御影という地名になったとの伝説も残ります。

この泉は現在に至るまで枯れることなくわき続け、防災用池として使われたりもしつつ、阪神大震災で池が決壊してしまったため、このような憩いの場に改修されたそうです。

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2020年8月にリニューアル工事が行われ、神秘的な姿に生まれ変わりました。

16:04 石屋川 20.8km

阪神御影駅付近は西国街道が御影クラッセ、御影中学校、御影小学校の敷地に取り込まれて失われており、途切れ途切れになっています。

迂回しながら細切れになった西国街道を進みます。

ちなみに、西宮あたりから神戸市街の西国街道は、街道が現役だったころを思い起こさせる古い建物がほぼありません。

都市化で失われたのもあるでしょうが、阪神大水害、神戸大空襲、阪神淡路大震災など度重なる被害により失われたことも大きいのだと思います。

とはいえ、街道筋はところどころに残っており、古い道標などで昔の街道を思い起こすことができます。

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そうこうしていると、石屋川に着きます。両岸に公園が続いており、六甲山⛰が良く見える素敵なスポットです。

江戸時代末期、神戸に外国人居留地が開設され、西国街道を行き来する大名行列との衝突が起こることを江戸幕府は心配しました。

そこで、外国人居留地を避けるため、ここ石屋川から北に迂回して六甲山中を通って鈴蘭台から明石の方へ抜ける30km強の西国往還付替道を開設しました。

全体を複数の工区に分けて同時並行で施工する突貫工事だったようで、わずか1か月程度で1867年12月7日に竣工させました。

しかし、翌年1868年3月に外国人居留地を少し迂回する別の道が作られたり、明治維新で政権移行が起ったこともあり、結局大名行列が通ることなく廃止されました。

現在は徳川道と呼ばれ、一部が六甲山のハイキングコースとして残っています。私も通ったことがありますが、その時に築かれたと思われる石垣なども残っており、楽しめる道です。

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国道2号線まで寄り道すると、1932年竣工の美しい建物、神戸市立御影公会堂【登録有形文化財】があります。 白鶴酒造の7代目社長の寄付を受けて建設されました。

現在はホールや集会所として幅広く利用されるほか、郷土資料室などもあります。

16:16 処女塚古墳 21.6km

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さらに西国街道を西へ進むと、このような石標があります。

これは、近くにある処女塚(おとめづか)古墳への道標です。「莵原をとめ塚」と書かれています。莵原(うはら)とは昔の地名で、現在の芦屋から生田川付近までが含まれているようです。

徐々に日が傾いてきていますが、せっかくなのでちょっと寄り道していきましょう。

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西国街道から200mほど南へ進み、国道43号線手前に処女塚古墳があります。

史跡公園として整備されており、中に入れます。

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全長70mの前方後円墳です。形がよくわかりますね。

ここは莵原処女の伝説が残っています。2人の男性から求婚された若き女性が悩みの末自ら命を絶ち、求婚していた2人の男性も後を追って死んでしまったという悲劇😢です。

この処女塚古墳の東西に西求女塚古墳、東求女塚古墳もあり、女性の左右に求婚者の男性が埋葬されている、という伝説になっています。

ja.wikipedia.org

実際にはこれら3つの古墳は莵原処女達が葬られているのではなく、この地を治めた豪族の墓だろうと考えられるとのこと。

いずれにしても、西国街道に道標が建てられるくらい、昔から名所だったんでしょうね。

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16:23 新在家駅 22.2km

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西国街道に復帰し、西へ進みます。阪神電車 新在家駅が見えます。北へ500mほどでJR六甲道駅です。

16:37 都賀川 23.4km

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さらに西へ1kmほど進むと、都賀川です。親水公園があり、憩いの場になっています。下河原橋という橋で川を渡ります。

阪神電車 大石駅が川の上にあります。

実は私は神戸市灘区で育ち、この川はとても馴染みがあります🥰 桜🌸も植えられており、山を背景にした美しい景色が見られるので素敵です。

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ここから先、西国街道は再び国道2号線に合流します。

国道2号線を500mほど西に歩くと、国道2号線が南へカーブしていきますが、西国街道はそのまま直進します。

16:47 西郷川 24.3km

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西郷川(青谷川)という川を越えます。

16:55 岩屋駅 25.0km

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阪神電車 岩屋駅に着きました。近くに兵庫県立美術館があることから、アート🎨な感じの駅舎になっています。

付近には他にも横尾忠則現代美術館やBBプラザ美術館など多くの美術館が集まっているため、岩屋駅前の道はミュージアムロードという愛称がついています。

16:59 脇浜公園 25.2km

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脇浜公園の近くにある西国街道沿いのビルに、何やら大きな石柱が建っています。人の背より少し大きい立派な石柱ですが、文字などは書かれておらず、謎です🤔

単なる飾り用のオブジェかもしれませんが…。

脇浜公園には、西国街道の新しい石碑が建っています。

17:04 神戸臨港線跡 25.7km

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JR神戸線の支線だった神戸臨港線跡の高架をくぐります。

現在のJR摩耶駅あたりから分岐し、神戸港まで単線の線路が伸びており、貨物列車が行き交っていました。

2003年に廃止され、現在は遊歩道になっています。

17:08 春日野道商店街 26.0km

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さらに西へ進み、春日野道商店街のアーケードをくぐります。道幅も広く、活気のある商店街です。

商店街の北端に阪急電車の春日野道駅、南端に阪神電車の春日野道駅があります。

17:13 大安亭市場 26.4km

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すっかり暗くなってしまいましたが、400mほど西へ進むと、大安亭(おおやすてい)市場という市場があります。

春日野道商店街より狭い道ですが、昔ながらのお店がたくさん軒を連ねており活気があります。 韓国食材店が多いことでも有名です。

付近には明治時代中期には大安亭という浪花節の劇場があり、人がたくさん集まったため市場が形成されたとのこと。

アーケードに書かれたタヌキのキャラクターはロダンの狸(たぬき)というようです。このあたりに伝わる民話に出てくるキャラクターだとか?

賢人の形だけ真似ても意味はなく、賢人の精神を学ぶことが重要という意味の中国の熟語「魯之男子」という言葉を略してロダンと称しているそうです。

詳しくは公式の紹介ページをご覧ください。

www.ooyasutei.com

17:19 生田川 26.7km

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雲井橋という橋で、山陽新幹線 新神戸駅前を流れる生田川を渡ります。

生田川はかつては現在のフラワーロード(新神戸~三宮駅~市役所前を通る道路)を流れていましたが、天井川であったため水害の被害を考え、工事を行い1871年に現在の川筋に切り替えられました。

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いよいよ三宮までラストスパートです!JR三ノ宮駅東側にそびえたつ超高層タワーマンションが間近に迫ってきました😄

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ちょっとした公園に西国街道の案内板があります。いよいよゴールが近づいてきました。

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この公園にもロダンの狸がいる…💧

17:30 三宮 27.4km

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生田川を渡ってから500mほどで三宮に到着です!🎉

ここはイオンフードスタイルがある三宮オーパ2北側の細い道です。西国街道の案内板が建っています。

京都からここまで歩いてこられて感動です!😭

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スタバの看板の左にある細い道が西国街道です。ここから出てきました。すぐ近くにJR三ノ宮駅があります。

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ついでにJR三ノ宮駅南側に移動し、駅の方を撮ってみました。

JR三ノ宮駅ビルは現在建て替え中で、ちょうど解体が終わったところです。以前は見えなかった駅のホームがよく見えます。

左側の高いビルは現在建て替え中の神戸阪急ビルです。2021年春開業予定で、上層階はホテルやレストランが入り、中層階はオフィス、下層・地下は阪急オアシスなどお店が入るようです。

三宮の駅周辺の再開発も進んでおり、どんなふうに変わっていくか楽しみですね☺️

3日間合計で90km近く歩いて、京都から神戸・三宮までたどり着けて感動です。いつの日か下関まで制覇してみたいものですね!